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「この歯は残すのが難しいので、抜歯しましょう」

歯科医院でそう言われたとき、もしその歯が前歯で、将来的にインプラントを考えているのであれば、歯を抜く前に一度相談することをおすすめします。

なぜなら、前歯のインプラント治療では、「歯を抜いた後に何をするか」だけではなく、「歯を抜くときに何をするか」が、その後の治療計画に大きく関わることがあるからです。

前歯の抜歯後に骨が吸収する過程と、抜歯即時埋入を解説した図

歯を抜くと、骨はどうなる?

歯を支えている骨は、歯がなくなると少しずつ吸収していきます。

特に前歯では、歯を支えている骨の一部が薄いことも多く、抜歯後に骨のボリュームが減少すると、インプラントを入れるために必要な骨が不足してしまうことがあります。

すると、「歯を抜いたから、すぐインプラントを入れよう」と思っていても、実際にはそう簡単にはいかないケースがあります。

骨が不足している場合には、GBR(骨造成)などの処置を行い、インプラントを入れるための環境を整える必要が出てくることがあります。

その場合、

  1. 抜歯
  2. 骨造成
  3. 骨ができるのを待つ
  4. インプラント埋入

というように、治療期間が長くなる可能性があります。

「抜歯と同時にインプラント」という選択肢

そこで、条件が整っている場合に検討できるのが、抜歯即時埋入です。

これは名前の通り、歯を抜くのと同時にインプラントを埋入する方法です。

もちろん、すべての患者さんにできるわけではありません。

感染の状態、残っている骨の量や形、歯ぐきの状態、噛み合わせ、インプラントを固定できる十分な条件があるかなど、さまざまな要素を確認したうえで適応を判断します。

しかし、適応できるケースでは、抜歯後に時間を置いてからインプラントを入れる方法とは異なる治療計画を立てられる可能性があります。

仮歯を早く入れられる可能性も

前歯のインプラントで、患者さんが特に気にされるのが、「歯がない期間はどうするの?」という問題です。

前歯ですから、見た目の問題があります。

さらに、仕事や学校、人と会う機会が多い方にとっては、前歯がない状態を長期間過ごすことに不安を感じるのは当然だと思います。

症例によっては、インプラントを埋入した当日に仮歯を装着する、いわゆる即時負荷を検討できる場合があります。

ただし、これも「前歯なら誰でもできる」というものではありません。

インプラントをしっかり固定できることや、噛み合わせなどの条件が重要になります。

そのため、

ということは、実際に診察・検査をして判断する必要があります。

「抜いてから考える」では遅いことも

ここが今回一番お伝えしたいポイントです。

前歯を抜くことが決まったときに、「とりあえず抜いて、あとでインプラントを考えよう」と考える方もいらっしゃいます。

しかし、抜歯後に骨が吸収してしまうと、治療計画が変わる可能性があります。

最初からインプラントを選択肢として考えていれば、抜歯の段階から、その後のインプラント治療を見据えた処置を検討できる場合があります。

「インプラントを入れるのは後だから、相談するのも後でいい」とは限りません。

むしろ、インプラントを考えているからこそ、抜歯前の相談が大切なのです。

前歯のインプラントは「歯を抜くところ」から始まっている

インプラント治療というと、「インプラントを埋め込む手術」をイメージされる方が多いと思います。

しかし、前歯の場合は、実際にはその前段階から治療計画が始まっています。

これらを一つの治療計画として考えることが重要です。

もちろん、インプラントがすべての方に適した治療とは限りません。ブリッジや入れ歯など、他の治療方法もあります。

大切なのは、歯を抜いてしまう前に、将来的な選択肢を知っておくことです。


前歯の抜歯を予定している方で、

など、少しでも気になることがあれば、ぜひ抜歯前にご相談ください。

前歯のインプラントは、インプラントを入れる日から始まるのではありません。

「歯を抜く前」から治療計画が始まっているのです。

インプラント治療の詳細はインプラント治療のページで、費用については料金表でご案内しています。

※ インプラント治療は公的医療保険適用外の自費診療です。1本あたり607,000〜827,000円(税込・上部構造を含む)。抜歯即時埋入加算33,000円、即時荷重加算33,000円、GBR(骨再生誘導法)165,000円は別途必要となります。詳細は料金表をご覧ください。

※ 治療期間の目安は、インプラント埋入後に骨と結合するまで3〜6か月程度で、骨造成を伴う場合はさらに期間を要します。通院回数は概ね6〜10回程度です。

※ 外科処置を伴うため、腫れ・痛み・出血・感染などが生じることがあります。骨とインプラントが結合しない場合や、治療後にインプラント周囲炎を生じる場合があります。即時負荷を行った仮歯は、噛み合わせの状態によっては使用を制限させていただくことがあります。

※ 抜歯即時埋入・即時負荷の適応は、診察・画像検査のうえで個別に判断いたします。すべての方に適応できるものではなく、経過には個人差があります。

廣神 崇史

院長

群馬県高崎市出身。2014年日本歯科大学生命歯学部卒業。大学病院での研修後、アメリカやドイツでインプラント研修を重ねる。ベトナムでのボランティア活動を通じて社会貢献にも取り組む。「ドクターひろかみん.」としてYouTube・TikTok・Xでも活動中。

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