ブログ一覧に戻る

インプラント治療の中でも、オールオン4のような大きな症例では、最終的な被せ物の精度を左右する非常に重要なステップがあります。

それが型取り(印象採得)です。

印象用コーピングをレジンで連結固定した状態
オールオン4の印象採得(オープントレー法)
印象用コーピングの固定

1マイクロメートルの世界

オールオン4では、4本以上のインプラントの位置を正確に再現し、その上に一本につながった人工歯を製作します。

求められる精度は、1ミリの1000分の1である「1マイクロメートル(μm)」という世界です。

人の目ではほとんど認識できないほどのわずかな誤差でも、完成した被せ物にズレが生じ、ネジの緩みや人工歯の破損、インプラントへの過度な負担につながることがあります。

オープントレー法による精密な印象採得

そのため当院では、オールオン4をはじめとした多数歯インプラント症例では、オープントレー法による印象採得を基本としています。

オープントレー法は、インプラントの位置情報をより忠実に模型へ再現できる印象法です。長いブリッジを製作する症例では、そのわずかな精度の違いが、最終的な適合性を大きく左右します。

デジタルとアナログ、それぞれの強み

近年、歯科用の口腔内スキャナーの普及により、デジタル印象が注目されています。スキャナーを使えば、印象材を使わずにお口の中を3Dデータとして取り込むことができます。

しかし、オールオン4のような多数歯インプラント症例では、デジタルだけでは精度に限界があるケースもあります。そのため当院では、症例に応じてアナログ印象(オープントレー法)とデジタル技術を使い分けています。

「型取り」は、ただ型を取るだけではない

患者さんからすると、型取りは「歯の型を取るだけ」の処置に見えるかもしれません。

しかし実際には、トレーの選択、印象用コーピングの固定、印象材の扱いなど、一つひとつを慎重に行うため、時間をかけて丁寧に進める工程です。

技工所との連携が精度を決める

型取りの精度がそのまま被せ物の適合に直結するからこそ、技工所との密な連携が欠かせません。当院では、型取りの段階から技工士と情報を共有し、患者さんの噛み合わせや審美的な要望を反映した製作を行っています。

インプラント治療は、手術だけで決まるものではありません。
精密な型取り、精密な技工、そして精密な装着。そのすべてが揃って初めて、長く快適に使えるオールオン4が完成します。

見えない部分へのこだわりこそが、治療の質を支えているのです。インプラント治療について詳しくはこちらをご覧ください。

廣神 崇史

院長

宇宙歯科クリニック院長。インプラント治療をはじめとする包括的な歯科治療に精通し、患者様一人ひとりに最適な治療を提供することを信念としています。精密な診断と丁寧な説明を大切にし、治療後のメンテナンスまで長期的にサポートいたします。

歯科医師紹介ページへ
ブログ一覧に戻る